読み返すたびに心があらわれる「金の国 水の国」

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金の国 水の国 | 岩本ナオ


40歳 | 女性 | パート・アルバイト | 金の国 水の国

敵対する隣国から、和平の証として結婚相手を贈られた・・・いえ、押し付けられたという方が正しいでしょうか。そんな、王女と青年のお話「金の国 水の国」。柔らかい絵柄があまり好みではなかったのですが、国で一番美しい娘が嫁に来るはずが嫁いできたのは猫で。国で一番賢い若者が来るはずが、婿に来たのは犬という、それぞれの国王の子どものような嫌がらせの被害にあうふたりの若者の話とのストーリーに、一体どんな物語になるのだろうと興味が勝り読み始めました。
読了して思うのは、本当に読んでよかった、この作品に出会えてよかったととのことです。もう、本当に、大満足!
敵国ということもあり、きな臭い話は出てきますが、とにかく、総じて優しさで包まれているお話です。渦中の王女と青年のひととなりが良すぎて、悪い事が起こるのではないかとハラハラドキドキしますが・・・実のところ、いろいろ含んだところのある周囲の面々も、結局は、自国を愛し、守ろうという姿勢からくるもので。ひとつボタンを掛け違えれば戦争勃発かとの一触触発状態でさえも、ただほんの少し違うだけで、こうも上手くいくこともあるのだと、その流れに考えてしまうことがたくさんあります。
だからこそ余計に、作中のふたつの国がこの先も穏やかに続いていくのだろうと思わせてくれる読了後の爽やかさが胸をうつのでしょうか。1巻の漫画で、ここまで心を掴まれたのは初めてです。折々に読み返したくなる、本当に素敵な作品です。

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