フランスの小説家、アベ・プレヴォーの『マノン・レスコー』

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マノン・レスコー | アベ・プレヴォー


25歳 | 女性 | 会社員 | こま

プレヴォーのマノンレスコーを拝読しました。次々と浮気してしまう不貞の情婦マノン。
そんなマノンにゾッコンな青年が、なんと浮気なマノンのために詐欺や強盗、脅迫や殺人にまで手を染めてしまいます。
マノンのためになんでもやってしまう主人公。それでも、マノンはどこか憎めない女性です。浮気をしようと不貞であろうとどこか純真さを感じ、天使のような淑女のようだと思えてくるのが不思議です。というのも、このマノンという女性について、プレヴォーは詳細を描いておらず、どんな顔立ちで、どんな人なのかマノンの人となりがわかるような細かいことはわかりません。基本的に主人公から見た世界で描かれています。主人公にとって、マノンはどうしようもないくらい理性をかき乱される相手であることは伺えます。こうした恋は「理屈」ではない、ということなのでしょうが、その理屈でないものを、文章でどう表現されているのかは必見です。どうしても理由がわからないことや言葉に落とし込めない情動が人間にはあります。ですが、この浅はかで、情けなく、どうしようもない二人を、最後にはどこか愛しく思ってしまいました。話が進むにつれて、だんだんと光が消えていくようなお話ですが、ロマンチックだと思いました。

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