日本でもドラマ化された「わたしを離さないで」。感慨深い気持ちにさせられる本です。

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わたしを離さないで | カズオ イシグロ


34歳 | 女性 | 自営業 | rainy sounds

物語は主人公の回想から始まります。
自らを「介護人」と呼ぶキャシーの幼少時代の出来事、そして大人になって「介護人」として働いている出来事を交互に重ねながら、物語は進んでいきます。
読者は、このキャシーとは何者なのか、所々で当たり前のように使われる意味深な言葉の意味も明確にできないまま、ページを進めて行きます。

キャシーの人生と並行して登場する友人のトミーとルース。
彼らは他の大勢の子供達と一緒に特別な学校で暮らしています。
彼らの間で年齢と共に変化していく関係、そして彼らの生活には当たり前のように登場する「提供」「展示会」「使命」という言葉。
読者も徐々に、まるで当たり前かのようにその特別な環境や言葉の意味を知っていくことになります。
それは、まさにキャシーたちが幼い頃から知らず知らず教えられ、自らも意識しないまま植え付けられた概念を、私たち読者も植え付けられているかのような現象です。

この本は、最後まで読み終えた後、もう一度最初に戻って読み直したくなる本です。
物事の展開にドキドキしたり、どうなるのだろうかという気持ちになる本ではありません。
ただただ、読み終えた私たちは、人生の意味について、そしてある意味で彼らのように当たり前のように自分にも誰かに植え付けられている考え方があるということに気づかされます。

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