新本格ミステリーを味わうことができるのは、この孤島パズル

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孤島パズル | 有栖川有栖


33歳 | 男性 | 自営業 | かずよし

ミステリーが好きな人は多いと思います。ただし、そのミステリーをなんとなく読んでいる人が大半でしょう。私もそのうちの一人でした。いや、まだまだにわか知識ですので、一人です。ミステリーにもいろいろな波があり、種類があり、哲学があるというのは、それに熱中する人がいることからも推測できますね。
著者は、80年代後半からの新本格といわれるミステリー作家の第一人者です。他にも同世代の作家で何人もいますが、彼が最もそれに準じていると思います。彼はエラリー・クイーンに敬意を持っており、読者への挑戦という形で、読者に探偵の種明かしより早く、謎への回答を問いかけます。この読者への挑戦は、江神シリーズで出てきます。その第二弾の孤島パズルは、シリーズ中でも最も読みやすく、またロジックも解きやすい作品だと思います。大学のミステリー好きなサークルメンバーの青春時代とクローズドな島という空間、そういった要素が好きな方にもありです。
探偵の種明かしのシーンに新たな情報を見せられ、へー、で終わっていた読者は、自分が探偵の立場ならばどのように謎を解くか、じっくりと作品にはまっていくことができます。ぜひ、犯人を予想するだけでなく、フーダニット(誰がやった)の謎解きの楽しみを味わってみてほしいと思います。

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