見知らぬ妻からの「ラブ・レター」は悲しく切ない。

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「鉄道員(ぽっぽや)」より「ラブ・レター」 | 浅田次郎


49歳 | 女性 | 無職 | はな

短編なのでサラッと読めてしまうのですが、もったいないと感じるほどの秀逸な一遍でした。
「鉄道員(ぽっぽや)」映画化にもなった浅田次郎の代表作ですが、短編集と知らずに手に取りました。
ある日、前科のある主人公の男性は以前お金のために偽装結婚をした中国人の妻からの手紙を受け取ります。
妻、問いっても面識もない戸籍だけの関係で、女性は中国から日本に結婚を名目に出稼ぎに来ており、風俗の世界にいます。
故郷の家族に仕送りをするためで、ヤクザにいいように使われて働くだけ働いて、やがて病気で死んでしまいます。
彼女の身の上と、見たこともない夫への盲目的な愛情を手紙を通して主人公と読者は知ることになります。
日本語も辿々しいその文章は時に稚拙で、でも純粋で、不運な身の上を嘆くことなく、ただただ、主人公への感謝を綴ります。
主人公も最後にはその想いに絆され涙します。地獄のような日々を送る彼女を支えていたのは見たこともない夫への愛情だったのかもしれません。
少し昔、日本に憧れを持って海を渡る女性は多くいました。
いえ、実はそれはこの日本のどこかで今も繰り広げられている日常なのかもしれないと思うと、胸が詰まる思いがしました。

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