夏から夏へ。今の時期にこそ読みたい、陸上の臨場感溢れるノンフィクション小説。

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おすすめする本

夏から夏へ | 佐藤多佳子


33歳 | 女性 | 主婦 | Miho

作家の佐藤多佳子さん本人が、男子陸上日本代表チームに丁寧に取材をして書きあげたこちら。非常に読み応えのある1冊です。分厚い本ですが、面白いのであっという間に読めてしまいます。とにかく熱量がすごいです。陸上男子リレーのトップスプリンターたちに焦点を当てて書かれているノンフィクション。2007年世界陸上・大阪大会、そして2008年北京五輪でのメダル獲得。そこに行くまでの過程が細かく書かれています。
佐藤多佳子さんと言えば「一瞬の風になれ」で高校陸上を書いたことで有名ですが、こちらは小説を上回る面白さがあります。「夏から夏へ」を読んでから、わたしはノンフィクションの面白さに目覚めました。細かく当時の状況が描かれていて、感動するシーンも豊かな言葉で臨場感たっぷりに伝えてくれています。メダルを取ったシーンについては、読み手もまるでそこの世界にいるような気持ちにさせてくれる表現力です。
そしてやはり佐藤多佳子さん。人物の内面を表す言葉の数々が美しいです。辛いシーンも優しい言葉で描かれていて、読んでいて重たさがありませんでした。陸上に興味がない人でも、心の動きを読むだけで十分楽しめる1冊です。夏の大会がメインのこちら。今の季節に何度も読みたくなります。

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