タイトル『泣く大人』ですが、全然泣きません。

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おすすめする本

泣く大人 | 江國香織


25歳 | 女性 | 会社員 | こま

江國香織さんの短編。読みやすく、美しい文体と力強さ。静かな人のブルーの炎のようなものを感じる作品です。どの短編も素敵でしたが、「三つの願い」。ここでいくつか願い事を言っているのですが、どれも現実的で非現実的。例えば、毎朝何種類かの果物がなる小さな気が欲しいってやつなんかは、果物の木ならあるけど毎朝何種類という魔法がかかっている。この現実と非現実の混ざり具合が、なんともツボでした。自分ならなにを願うかなあと、考えかけたところで、手に入らないものを望んで困るのは他でもない自分自身であることを思い出させます。こんなところが『大人』なんだろうとふとタイトルを思い出します。買っていた犬の話、子供の頃に嵐の夜にわくわくしていたことや、旅の話。江國さんの短編は読んでいると自分まで、あんなことあったなと思い出してしまいます。まるで、女友達と酒でも飲んで話てるときみたいに話題がころころ変わって、たまに痛いところ突かれたり、ハッとしたり、和んだり。楽しいです。男友達については、苦手な男について端的に、また鋭い視点から書かれていて笑ってしまいます。友達のバーで飲む話も程よい距離感の人間関係が現れているところが良かったです。おすすめです。

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