一見無意味に思われる会話のやりとりこそが、そこに居る証し。

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ワン デイ イン ニューヨーク | ウィリアム・サローヤン


28歳 | 女性 | 会社員 | Shiria

お金で買えないもの、それは好きな人との会話です。
オチのある内容や正しい文法、気の利かせた言葉ではなく、そこに会話が「ある」ということに重きを置きます。

この小説はあらゆる会話によって「1」を表現したものだと感じました。
つまり、各会話は原子・粒子のような役割であり、全体で言いたいこと「1つ」を作り上げている気がします。

主人公イェップが久々にニューヨークに戻った場面から始まり、その後物語はこれといってめまぐるしく展開するわけではなく、いたって穏やか、まるで鈍行列車に揺られているような気持ちになります。

しかしその列車は決して線路から外れる(小説の構成・基盤が崩れない)ことはなく、各駅停車(ワンシーンごとに区切り・チャプターがある)であるため、読者は乗客以上のものになる必要はなく、安心してサローヤンの運転に身を任せれば良いのです。

そしてただ1つの言いたいこととは、イェップが元妻と娘・息子、同郷の友人たち、さらにはホテルのベルボーイ、ドジャースの選手、うさんくさいエージェント、子供達のシッターでさえも、すべての人間を「愛してる」ということ。

日本語でたった5文字、英語ではたった3文字、ただ1つの動詞を本当に心の底から理解するのに、私たちは(少なくとも私は)300ページ必要だったことに、自分の未熟さを感じざるを得ない体験でした。

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