怖い?切ない?おぞましい?ホラー漫画の隠れた名作「りんたとさじ」を読みました!

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りんたとさじ | オガツカヅオ


30歳 | 女性 | パート・アルバイト | きとこ

怖いという感情は不思議なもので時に麻薬のように自ら無性に体に取り入れたくなるものです。
「りんたとさじ」は暖かみのあるタッチの絵で描かれる、クールでミステリアスな眼鏡男子りんたと彼が好きで仕方ないさじちゃんのコンビがおぞましくも何処か悲しい怪異たちに巻き込まれたり、時に自ら巻き込まれにいったりするホラー短編集です。
とにもかくにもりんたくんのキャラがいい、今までホラー漫画でいそうでいなかったタイプです。飄々としているようで彼女のさじちゃんのこともちゃんと気にかけており二人の馴れ初めが気になります。達観しているようで冷め切っていないのが萌えます。
どのお話も怪異の正体やこうなった経緯などはかなり救いがなかったりするのですが、じんわり来る読後感のお話もあったりしてかなりレベルが高いです。過剰な説明を敢えて省いている感のあるストーリーは読者の想像をかき立て、余白や後日談に思いを馳せること請け合い、夢に見ないように気を付けたいです。
ちなみに試し読みで読むことのできるお話「炬燵の人」に登場する先輩と「彼女」ですが、後のストーリーにも普通に出てきます。先輩に至っては準レギュラーですので是非その辺のくわしいところはご自分の目で確かめてください。長らく紙媒体でプレミアがついていた「りんたとさじ」ですが、なんと今では有難いことに電子書籍で購入できます。

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